高校生で「基本情報技術者試験」に合格できた理由。ー試験への向き合い方ー

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はじめに:なぜ高校生で国家試験?

僕は商業高校の情報処理科に通っており、高校2年次にカリキュラムの一環として「基本情報技術者試験」を受験しました。

当時の試験は現在のCBT(コンピュータ試験)形式ではなく、紙による筆記試験でした。
午前・午後に分かれており、特に午後試験は長文問題が中心で、かなりの集中力と気力を求められる内容だったのを覚えています。

合格率も現在より低く、20~30%程度にとどまっていました。

通っていた高校の合格率

僕が基本情報技術者試験に合格したとき、同じ学年で合格したのは80人中たった5人でした。

実は、午前試験はクラスの半数以上が合格ラインを超えていました。
基礎知識の暗記や過去問である程度対応できるので、努力すれば結果が出やすい領域です。

しかし、真の勝負どころは午後問題でした。

午後は、長文の問題文をしっかり読み込み、条件を整理しながら正確に答えを導き出す力が求められます。
同じように授業で解いたはずなのに、ここで脱落していった人が多かった。

理由は明確です。
午後問題には、「気力」と「理解力」が必要だからです。

合格できたワケ

同じ教材、同じ授業を受けていたのに、合格できたのは80人中わずか5人。
その違いは、試験にどう向き合ったかにありました。

実を言うと、僕は特別な自習をしていたわけではありません。
放課後に何時間も勉強していたわけでもなく、使っていた教材もみんなと同じです。

それでも合格できたのは、どれだけ本気で向き合えたかが大きかったと思っています。

授業を“受けただけ”で終わらせるのか、
そこから“自分ごと”として動くのかで、見える世界はまったく違いました。


エンジニアになるという目標があった

当時の僕には、「将来はIT系の仕事に就きたい」という思いがありました。

はっきりと職種までは決まっていなかったものの、パソコンを使った仕事、技術を使って人の役に立つ仕事に興味がありました。

だからこそ、基本情報技術者試験は、「自分に向いているかを試す機会」でもありました。


合格できれば、少しでもその夢に近づけるかもしれない――そんな気持ちで、自然と真剣に向き合うようになっていました。

明確な目標があると、「やらされている勉強」ではなく、「自分でやる勉強」になっていきます。
それが、授業や問題への取り組み方に表れていたのだと思います。

合格した自分を想像していた

僕は勉強している間、何度も「合格したあとの自分」を想像していました。

  • 合格証書を手にしたときの喜び
  • 親や先生に報告して褒められる瞬間
  • 履歴書に堂々と書けることへの誇り

そういった未来のイメージが、モチベーションの源になっていたんです。

「今この問題を解くことが、自分の将来につながっている」
そう思うだけで、面倒な復習や解説も無駄に感じなくなりました。

目の前の問題を“目的のためのステップ”として捉えられるかどうか。
それが、最後まで集中力を切らさずに勉強できた理由のひとつだと思います。

分からない時にどう行動するか

勉強していると、当然「意味がわからない」「どう考えても解けない」という問題にぶつかります。
でも、僕はそこで手を止めずに、「なぜそうなるのか?」を考えることをやめませんでした

  • 解説をじっくり読む
  • 似たような問題を探してみる
  • クラスメイトに質問してみる

そんなふうに、わからない状態をそのままにせず、理解に近づこうとする姿勢を意識していました。

一方で、ここで投げやりになって諦めてしまう人も多かったです。
午後問題のような複雑で考える力が求められる問題に対して、「無理だ」と感じた時点で止まってしまう――それが結果に直結していたように思います。

“分かったら楽しい”のは誰でも同じ。だけど、“分からないとき”にどれだけ粘れるか。
この姿勢の差が、午後問題で大きく表れたと実感しています。


切磋琢磨できる仲間がいた

僕にとってもうひとつ大きかったのが、周りに頑張っている仲間がいたことです。

正直、自分ひとりだったら途中でやめていたかもしれません。
でも、周りがやっているからこそ「自分ももう少し頑張ろう」と思える瞬間が何度もありました。

もしひとりで勉強していたら、SNSなどで同じ目標を持つ人の投稿を見るだけでも、十分刺激になると思います。


「自分だけじゃない」と思えることが、意外と大きな支えになります。

合格後に見えた景色

合格後、まず驚いたのは周囲の反応の大きさでした。

クラスでは5人のなかの1人だったこともあり、先生や友人たちからはまるで「なにか偉業を成し遂げた」かのように扱われました。

また、大学受験の面接でも基本情報の合格経験には強い関心を持ってもらえました。
「高校生で国家資格?すごいね」と、話題のきっかけにもなり、他の受験生と差をつける強力な武器になったと実感しています。

実際、エンジニアとしてIT企業に就職してみると、新卒で基本情報を持っている人は全体の30%程度
すでに持っているだけで「ちゃんと基礎がわかっている人」として見てもらえるので、業界内でも少数派としてのアドバンテージを感じました。

まとめ

僕が基本情報技術者試験に合格できたのは、
特別な勉強法や才能があったからではありません。

将来の目標を持ち、合格した自分を想像し、
わからない問題にも向き合い続け、
周囲の仲間と切磋琢磨できたこと。

その一つひとつの姿勢が、合格という結果に結びついたのだと思います。

そして、僕は今、ITエンジニアとして働いていますが、
現場で求められる力は、
”すぐに答えが出ない場面でも、考え、調べ、試行錯誤する力”だということです。

エンジニアに向いているのは、分からないことに出会ったときに諦めず、手を動かし続けられる人だと思います。

これから挑戦する人へ。
この試験は、単なる資格ではなく、未来の自分をつくるきっかけになります。
ぜひ、“向き合う力”を大切にして挑んでみてください。

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